ご縁がなかった方への供養 ~施餓鬼会~
5月23日、法音寺では毎年この日に「施餓鬼会」(せがきえ)をお勤めしております。
「施餓鬼会」とは、餓鬼道に堕ちた「餓鬼」を供養する法要。
「餓鬼」とは、天災人災によって亡くなり、誰にも供養してもらえなかった方々の霊位。
今、ロシアがウクライナに侵攻しております。この3ヶ月で民間人3千人、兵士2万人が亡くなったと報じられ、
昨今のコロナウィルスによって、日本だけでも3万人がお亡くなりになりました。
更に、世界では毎日20万人の方がお亡くなりになられております。
しかし、その多くの方々の事を私たちは知りません。
生前にお会いしたことも、お話ししたこともありません。
死後、葬儀や法事を勤められ、ご供養していただいておりば良いのですが、
戦時中、コロナ禍ではしっかりとご供養されていないかもしれません。
その様な方々に手を合わせ、ご供養いたすのが「施餓鬼会」でございます。
普段のご法事では、自分と縁の有る、ご先祖さまの供養をしております。
しかし、年に一度の「施餓鬼会」では、自分と縁がなかった方々の供養をいたします。
縁の有る無しを「死」ではなく「生」で考えてみますと、
「今」を生きるには、独りで生きているのではなく、多くの方々の「おかげ」をいただいて生きております。
生きているというより、生かされている自分に気付く事ができると思います。
仏教の教え、お釈迦さまの教えは、誠に有り難く、誠に尊い教えであります。
ナムアミダブツ。
2022.5.23
わげんせ和玄
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