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法然上人へ感謝の「献茶」

法然上人は今からちょうど810年前、1212年(建暦2年)の1月25日に80歳でお亡くなりになりましたが、
亡くなる2日前、建暦2年1月23日に「一枚起請文」(いちまいきしょうもん)という
浄土宗の真髄を伝える書物をお書きになりました。
よって、浄土宗寺院では毎年1月23日から25日までを法然上人のご威徳を讃えるべく、
厳粛に「御忌」(ぎょき)という法要を勤めております。

法音寺では、本年(令和4年)1月23日、煎茶道方円流の蓮江倖園師とご一門の方々に
阿弥陀如来、法然上人前に「献茶」を奉納いただきました。
献茶は、最も尊い供物とされ、古来より「献茶式」として法要の中でも勤められて参りました。
今回ご縁あって煎茶道方円流の皆様に献茶の奉納いただきました事、
とても有難く感謝申し上げます。
https://fb.watch/aUvIGKowdR/

法然上人への献茶奉納の後、仏前において「一枚起請文」を拝読いたしました。
「一枚起請文」は法然上人が亡くなる2日前にお書きになられた、言わば「遺書」であります。
そこには、浄土宗の真髄「お念仏の教え」が簡潔に述べられており、上人滅後にお念仏の教えが
正しく伝わる様にとの上人の強い意志を感じることが出来ます。

その文中に、「ただ一向に念仏すべし」とあります。
法然上人が説法されていた平安末期から鎌倉初期の時代、お念仏の教えは様々でした。
その教えの多くは、難しい仏教の教えを理解してからお称えする念仏でありました。

しかし法然上人は、極楽浄土への往生だけを願ってお称えするお念仏、
全ての人がどこでもお称えですることが出来るお念仏こそが、
お釈迦さまがお伝えしたかったお念仏の正しい教えであると人々に説かれました。

法然上人の説くお念仏の教えは、当時の仏教界で非難される事もありましたが、
今日、法然上人のお念仏の教えが正しく伝わっているのは、「一枚起請文」に書かれた
法然上人の決意、そしてその教えを守り、伝え続けて下さった先人達の実践の結果であり、
改めてお釈迦さま、法然上人、先人の諸上人に報恩感謝の気持ちが高まり、
私もその教えを皆様にお伝えし続けていくという強い決意を思う今日であります。

2022.2.1
わげんせ和玄

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